Jazzヴォーカリスト「びび」こと工藤直子の日々。


by vivian_n
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

Until I Find You

今年に入ってから、
ジョン・アーヴィングの新作
『また会う日まで』を読み始めて、
この間やっと読み終わった。

ジョン・アーヴィング 『また会う日まで』
http://www.shinchosha.co.jp/book/519111/

これを読むにあたって、
事前調査とばかり
『ガープの世界』を観たのだけど…。

うーん(笑)

でね、『また会う日まで』は
どーだったかというと、

うーん(笑)

父親を探す旅。
子供の時の記憶。
でも、その記憶はほとんど事実とは違っていた。

うーん(笑)

物語に付随するナマナマしい話は
彼特有のものなのかも知れないけれど、
それはともかく、
盛り上がりそうなイベントを振っておきながら、
そのすぐ後にそれがどうなったか答えが書いてあるから、
物語にスピード感が出ないんだよう。
ただでさえ長い話なのに、
自分で先にネタばらしすんなようジョンさんよう。

…だけど、
と、ちょっと別なことを変えてみる。

子供の時は、やたら1日が長い。
大人になると、1年なんてあっという間だ。

そうやって考えてみると、
主人公、ジャックの子供時代は
この物語の前半で延々と書かれているし、
大人になってからの彼の日々は
するすると流れて行ってしまう。

時間、かな。

記憶は簡単に変わってしまうという事も
大きなテーマなんだろうけれど、
子供の時に感じる時間の流れの速さと
大人になってから感じるその速さの違い。
謂わば『人生の加速度』のようなもの?
そういうものも同時に書きたかったのではないかと
感じちゃったりしてね。
深いなあ、と思ったりする。
いずれにしろ、
ジャックの、ジャックらしい人生は、
きっと物語が終わった所から始まるのだ。

しかし、
なぜに邦題が『また会う日まで』なのか?
私の世代なら、どうやったって尾崎紀世彦を
思い出さずにはいられないが…

そういや主人公のジャックは1965年生まれ。
私とほとんど同世代だ。
もしかして訳者の小川高義氏は
主人公と同じ『また会う日まで=尾崎紀世彦』の世代に
この本を読んで欲しくて
意図的にこんなタイトルを付けたのではないかと…
そんなふうに勝手に邪推しているw

(追記)
読み手の視点は、たぶんガルシア博士の視点と
同じような位置にある気がする。
妹に出会い、父に出会い、
4歳から38歳までの時間をやっと埋められた時、
ガルシア博士との関わりが
ジャックの感謝の言葉とともに終わりを告げたが、
それは同時にアーヴィングの言葉として、
読み手に感謝の言葉を述べているような
気がしてならないからだ。
「最後まで話を聞いてくれて、ありがとう」と。
[PR]
by vivian_n | 2008-03-01 22:46 | 心の琴線