Jazzヴォーカリスト「びび」こと工藤直子の日々。


by vivian_n
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50年の時を超えて(4/5@熊本-2)

千丁の柳があった場所は、九州新幹線の工事で
判らなくなってしまったという話は知っていた。
確かに、車窓の右側に見えていたはずの柳の代わりに
新幹線の線路が新八代駅の手前を斜めに跨いでいる。
先生もまさかそんな事になってしまうとは
想像もしなかっただろうと思う。

車窓から見える柳と、
それを指差す先生の写真が撮られたのは
昭和32年6月。
前の年には琴の師匠であり大親友だった
宮城道雄氏が事故で急逝し、
この3月下旬には、飼い猫のノラが失踪した。
悲しみに暮れる先生の心が少しでも休まればと、
親しい編輯者の『椰子さん』の誘いで
大好きな松浜軒へ行く途中のものだ。
その時に撮られた一連の写真が載っているのが
『百鬼園写真帖』。

私は、
『先生の写真集』
と呼んでいる。(プ

八代駅の改札を出ると、
駅舎の向こう側に
不気味なほど巨大なプラントが見えた。
その煙突から白い煙がもうもうと出ている。
バスが割とすぐに来たので乗ったけれど、
降りるバス停をよく調べていなかった。
運転手さんに聞いたら、
降りる時に親切にも道順まで教えてくれた。
右手に八代城跡の石垣が見えて来た。
その斜め向かいが、松浜軒だ。

門を入ると、不思議に外の車の音がしなくなる。
木々に囲まれた細い道を入り、
左手に母屋を見ながら進んで行くと、
そこに、ずっと私が見たかったお池が現れた。
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一体こういう時って何て言えばいいんだろう。

うはwww
か知ら。
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開け放った座敷の縁端に腰を掛けた先生と
ヒマラヤ山系君が、
Yagoの座っている石に足を乗せて
二人で外を眺めている写真がある。
今日もその時と同じく快晴で、空が青い。

そうだ。
昭和32年は1957年。
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その年から、ちょうど50年経っている事に気が付いた。

その時の旅行で一連の写真を撮影した小石清氏は、
わずか数週間後の奇禍で、帰らぬ人となった。
先生の周りでは、
此岸と彼岸との境目が
いつでも曖昧になっているような気がする。
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by vivian_n | 2007-04-05 23:00 | 旅行