Jazzヴォーカリスト「びび」こと工藤直子の日々。


by vivian_n
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ドロシー・ハミル

ケーブルテレビのスポーツのチャンネルをたまたま見ていた。
番組はフィギュアスケートの大会で、画面の左上には
「1999 ケリ・ローション」と書いてある。
1999年の、ケリ・ローションというのは会場なのだろうか?
ちょうど女性選手が滑り終わり、次に出て来たのは男性の選手だが、、
彼はアフロづらに銀色の伊達眼鏡、コスチュームは胸の部分が大きくV字に切れ込み、
曲も70〜80年代のソウル。観客も盛り上がって大合唱だ。
そうか。きっとこれはアメリカの大会だな。
それしか考えられない(笑)

次に出て来たのはドロシー・ハミルという選手だった。
コスチュームはピンク色のシンプルなワンピースだ。
解説者が、彼女は43歳で、かつてオリンピックで
金メダルを獲得した事があると言っていた。
なるほどそうか。道理でコスチュームが地味なはずだ。
きっと昔取った金メダルのお陰で今も大会に出させてもらってるんだな。
と、その時は正直そう思った。

曲が静かに始まった。
やっぱり衣装と同じで滑りも至ってシンプルだ。
ジャンプも2回転しかしないし。

だが、
何と言えばいいんだろう。
まるで美しいメロディがレガートで奏でられているように、
彼女の足の先が、指の先が、流れるように弧を描いて行く。
もちろん指先や足さばきに細心の注意が払われているのは
見ていてもよく分かる。

2回目のジャンプ。
「無駄がまったくありませんねえ」と解説者。
ジャンプの為に加速しているのさえ気がつかなかった程だ。
なんて美しいんだろう。
自然に涙があふれて来た。
ああ、この人は本物なのだ。

彼女の得点は決して高くはなかった。
しかし、審判も、選手達も、そして観客もきっと皆判っているのだ。
点数には表せないものが、そこにあったという事を。


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ドロシー・ハミルの滑り 〜1999ケリ・ローション〜
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by vivian_n | 2005-11-25 19:12 | 心の琴線