Jazzヴォーカリスト「びび」こと工藤直子の日々。


by vivian_n
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ブルース、と言えば…

エディ藩、という名前を初めて見たのは
横浜のライブ情報が載っているミニコミ紙だった、と思う。
STORMY MONDAYという、
いかにもブルースのライブハウスらしい名の店に
その人は定期的に出演しているようだ。
ちょうどその頃、花村萬月氏の「ブルース」という本を読んで
感化されまくっていた私は、行ってみたいなぁなんて
密かに思っていた。

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最近、図書館に行っては本を何冊か借りて読んでいる。
先週末には早乙女勝元氏の本と、もう1冊。
新刊として本屋に並んでいた時からずーっと気になっていた
「天使はブルースを歌う」(山崎洋子著)というノンフィクションの本を借りた。
早乙女氏の本は、言わずと知れた東京大空襲もの。
「天使はブルースを歌う」も、話の元をたどれば第2次世界大戦なのだ。

舞台は横浜。ある外人墓地に、こんな噂があった。
敗戦直後、進駐して来た米軍兵士と日本人女性との間に生を受けながら、
しかし生まれても祝福される事の無かったたくさんの小さな命が
秘密裏に埋葬されたという。

その墓地に記念碑を建てる計画が持ち上がった。
計画に賛同したミュージシャンもCDを制作し、
売上を記念碑の費用に充てるという。
ひょんな事から著者の山崎氏がエディ藩の作った曲に
歌詞を付ける事になり、それをきっかけに
当時の外人墓地を知る人などを訪ねながら、
伝説の老娼婦”メリーさん”の逸話をからめつつ
真相を探って行く、といった内容。

詳しくは読んで頂くとして。(笑)

私の興味はいつの間にか話の本筋から横に逸れ、
本牧で結成され、GS全盛時代に活躍したという
ゴールデンカップスにあった。
全員ハーフというふれこみのそのバンドで、
エディ藩という人はギターを弾いていたという。
ちょっと調べてみて驚いた。
このバンド、デビュー曲を含めシングルの曲は
歌謡曲のヒットメーカー達の手によるのものだが、
LPにはブルースの有名な曲が数曲入っていたりする。

一体何なのこのバンド?
それに今見てもドキッとする程の美形揃い。
出来る事なら、そのLPを聴いてみたい。

そのバンドと、70年代をとりまくように漂っていた
鈴木いづみという女性作家にも興味をそそられた。
異色の経歴を持つ小説家として時代の最先端を走りながら
最後は自殺という形で人生を閉じた人。
こういう生き方をさせられちゃった人がいるって、、、。
全部本当なら70年代って異常だ。

この本を書いた山崎氏も登場人物達と同年代だそうだ。
しかし彼女は学生運動などに参加する事もせず、
平凡に就職し、働いていたという。
それは皆が皆こんな激しい生き方をしていた訳ではないのだという、
70年代を知らない者にとっては「証言」のようなものだ。
だからこそ、彼らに憧れ、時には軽い嫉妬のような感情を伴って
書かれたこの本は、ノンフィクションというより、
彼女の私小説なのかも知れない。
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by vivian_n | 2005-10-20 22:00 | 心の琴線